大会名:JEC開幕戦 御所(熊本) 5月9-10日開催
成績:国際B級 DAY1優勝 DAY2優勝
公式LIVEリザルト
リザルト
BIKE:2025 KTM250EXC-F SIXDAYS(4ストローク)
サスペンション:Technixモディファイ
タイヤ
F :IRC M5B EVO 90/100-21 (ムース)
R :IRC GX20 SOFT (ムース)
セットアップ&メンテナンス:NAGmotors
ウェアー:LEATT(ヘルメット、ゴーグル、ブーツ、グローブ、プロテクター)
株式会社ダイナコの代表を務める内嶋亮です。 これまで公式サイトではJNCCの参戦レポートをお届けしてきましたが、今シーズンからは新たに「JEC(全日本エンデューロ選手権)」への挑戦をスタートしました。ファンや選手、業界関係者の皆様に、オンタイムエンデューロの魅力と私の挑戦の軌跡をお伝えできればと思います。
12年ぶりのJEC、そして「国際B級」への特別承認
私は元々、マウンテンバイク・ダウンヒルという個人タイムアタック競技のプロアスリートとして活動してきました(2008年引退)。「オンタイムエンデューロ」というジャンルには長年強い関心を持っていました。
2014年、一度だけJECの承認クラスに参戦したことがあります。今はなき「SUGO 2デイズ」での楽しさは、今でも忘れられないかけがえのない思い出です。
それから12年。今回、JECプロモーション様をはじめ、関係者の皆様のご理解により「国際B級(IB)クラス」への特別承認をいただき、参戦の舞台に立てたことに深く感謝申し上げます。
昨年の日高大会にiRCタイヤの業務で伺った際、多くの方から参戦を期待する声をいただいたこと、そしてライダーたちの熱量を肌で感じ、「やっぱりこの競技には特別な何かがある」と確信したことが、今シーズンのフル参戦を決意させた大きな理由です。
準備:免許取得から直前の車両変更まで
フル参戦を決めた以上、最難関と言われる「日高」への出場は避けて通れません。まずは公道走行が可能なナンバー取得車両としてKTM 250 EXC-Fを購入。(*原則レース参戦時のみ公道を走行)さらに、実は自動二輪免許を持っていなかったため、練習の合間を縫って教習所に通い、無事に免許を取得しました。
EXC-Fのセットアップ時間がなかなか確保できず、開幕戦エントリー時点では慣れ親しんだ250 XC-Fでの出場も考えましたが、大会10日前に テクニクスによるEXC用のサスペンションをインストルし慣らし運転をすることができ、車体とのマッチングやエンジン特性が驚くほど素晴らしかったのです。「このマシンを実戦投入することで、さらにセッティングを煮詰められる」と確信し、急遽車両変更を申請。
実質2日間、計4時間ほどしか乗り込めていない状態でしたが、フロントのコンプレッションを数クリック調整しただけで「走るのが楽しくて仕方ない」と感じる最高のマシンで本番に挑みました。
プロモーションとレースの両立
今回の参戦には、もう一つの側面があります。それはiRCタイヤの出展・プロモーション担当としての役割です。 自分自身がユーザーの皆様と同じ条件でレースを走る。そこで得たリアルな知見を皆様に還元することこそ、サポートライダーとしての私にできる最大限の貢献だと考えています。
「JECはルールが難しい」という声も聞きますが、そのルールがあるからこそ面白いのがオンタイム制です。私もペナルティを避けるため規則書を読み込み、現地の先輩方に教わりながら、その奥深さを再確認しました。
【JEC(オンタイムエンデューロ)とは?】 「テスト」と呼ばれる区間のタイム合算で順位を競います。テスト間を繋ぐ「ルート」には指定された時間(持ち時間)が設定されており、早すぎても遅すぎてもペナルティとなります。自分自身、コースそして時間との戦い。これがJECの醍醐味と僕は捉えています。
他にも2日間開催の際には1日目の最後に「ワークタイム」という15分の整備時間が与えられ、ライダー自身が自分のマシンを整備しますが、この時間にタイヤ交換を素早く行うなど、自身がこれをやることも、観客としてこのワークタイムを見ることもとても面白いのです。
Day 1:手応えと「オンタイム」の洗礼
金曜日、iRCサポートライダーの「カツヤマン(国際A級)」と共に2時間以上の徒歩下見を行い、コースを徹底的に頭に叩き込みました。たくさんのディスカッションとアドバイスに感謝です。
迎えた初日。最初のクロステストは荒れる前のベストコンディション。5分58秒という長いテストでしたが、腕上がりに耐えながら走りきり、クラストップタイム(1番時計)をマーク! しかし、その直後のエンデューロテストでは、息を整える間もなくスタートせざるを得ないプレッシャーに負け、フィジカルが戻らないままミスを連発。オンタイム制の難しさを痛感しました。
後半、コースが荒れ始めるとJNCCとの違いに苦しみました。コース幅の広いJNCCとは違い、JECのタイトなコースでは「レール(轍)」を避けて通ることは難しく、そこを全開で攻める技術が求められます。 苦戦しながらも、最初のミス以外は全て1番時計を並べることができ、Day 1優勝を飾ることができました。
Day 2:クラッシュ、そして勝利の中で見えた課題
初日の結果には満足しつつも、将来的に国際A級(IA)を見据えると、トップライダーとの差は歴然でした。 1日目のレース後にはカツヤマンや堀越選手、同じIB真庭さんの下見に同行させてもらい、彼らのライン取りや走り方を教わり、MXIA勢の圧倒的なポテンシャルに刺激を受け、2日目に備えました。
Day 2はコース状況を考慮し、1本目が計測なしの「下見ラップ」に。 昨日の課題だったクロステストを克服すべく挑みましたが、やはり荒れた路面での攻略にリズムを崩します。中盤、丸太セクションでの飛び出しに失敗。フロントから激しく前転するクラッシュを喫しました。
一瞬息が止まり、カウルも破損しましたが、幸い大きな怪我はなく、30秒ほどのロスでコース復帰。その後は攻めと無茶の境界線を意識しながら走りきり、Day 2も優勝を果たすことができました。
最後に
2日間を終えて、率直な感想は「ここまで難しく、ここまで熱いのか!」という驚きでした。 蓄積される疲労、刻々と変化する路面、コンマ秒差で削り合うライバル、そして己の限界。
「ルールが難しい?」いや、そんな理屈を吹き飛ばすほど、自分自身のタイムを1秒削る作業の方がよっぽど難解で、そして痺れるほど面白い。
JECは単なるスピードレースではありません。コースと対話し、ルールを攻略し、マシンを労わる。そのすべてが噛み合った瞬間、オンタイムエンデューロというパズルが完成する快感は、他では決して味わえないものです。
次戦以降もさらにタフなコースやそういった状況が待ち構えているでしょう。しかし、「次の一秒をどう削るか」を考えるワクワクが止まりません。
この興奮を、ぜひ会場で、あるいはこのレポートを通じて共有させてください。
自分の今のポジションは明確になりました。 これからはどこまで泥臭く、どこまで速くなれるのかを楽しく考え取り組み、全力で駆け抜けます。
次戦も、応援をよろしくお願いいたします!
株式会社ダイナコ / 内嶋 亮









JEC 撮影者:藤村由佳理(@yuriyu0416)
SPECIAL SPONSOR&PARTNER
SUPPORT








