JNCC2021 第8戦 熊本阿蘇大会レースレポート

大会名:JNCC2021第8戦  熊本阿蘇大会
成績:COMP-AA 5位 総合5位
BIKE:KTM250SXF Jon it.モディファイ
タイヤ:F IRC IX09 Wチューブ(0.55kgf) R IRC M5B EVO140 (0.48kgf)
チェーン:DID
リム:DID 軽
ウェアー:seven
ハンドル:ISA テーパーハンドル
セットアップ&メンテナンス:Jon it.
4armStrong

JNCC2021シリーズ最終戦が九州熊本阿蘇で開催された。
ハイスピードロングコースで難所は少ないが、時間経過とともにギャップが深くなりその数も多くなる傾向のコース。
また、比較的軟質な土質の部分がコースの大半を占めるという内容。
大会前に実施したIRCオンラインアドバイスではこれらのコース予想に対し、選択するタイヤはブロック高のある高剛性で刺さりやすいものとして、フロントにVX30。リヤにはM5BEVOをお勧めとし、自身もこれを選択すると話をしていた。
しかしながら大会3週間前に右手を負傷し、さらに大会5日前にも再度負傷させてしまったことで、フロントタイヤをVX30よりもゴム質、タイヤ全体の剛性が柔らかいIX09に変更し、3時間という長丁場で右手への負担を軽減するための変更を行った。

車両に関しては前回の千葉八犬伝大会とは同車種ながらサスペンションモディファイが異なるマシンを使用。
サスペンションの初期の動きをスムーズにし、路面追従性を向上させた仕様であり、ピットイン時に簡単にフロントサスのエア抜きできるキットを組み込んだ、まさにハイスピードでギャップが多い阿蘇仕様と言えるJon it.スペシャル。

JNCCとしてはレアケースと言える大会前日に車両に乗って1周下見ができるため、土曜日朝に現地入りし、IRC、SUR-RONのブース設置を済ませ午後の下見へと向かった。

コース前半は比較的コース幅が狭く、荒れた下りや、うねるようなギャップのできたウッズがあり、中盤以降ハイスピード区間にもギャップができている状態。
これもIRCオンラインアドバイスでお伝えしたことだが、コース幅を目一杯使いギャップをなるべく避けるライン選択ができるよう下見の時点でこれを意識しながら走行し、大まかなイメージを作ることができた。

大会当日も天候に恵まれ「ベスコン」でCOMPクラスがスタート。
デッドエンジンスタート形式(エンジン停止からフラッグの合図でエンジン始動しスタート)は時折エンジンがかからず出遅れることもあるが、前回大会からエンジン始動のコツを掴んだため、今回もまずますのスタートを切る。

しかしながら、まださほど荒れていないハイスピードコースではやはりモトクロスIAライダーの巡航速度が速く次々とパスされてしまい、どうにか視界に入る範囲でジリジリと離される展開が3周ほど続いたが、
ここまでは荒れてくるであろうメインのラインをあえて避け、現時点では最速ではないが走りやすいラインを選び、さらに後半に活きるであろう良いラインを探しながら走る。
そして4周目に入ったところで前を走る鈴木涼太選手、井上選手の給油ピットインにより2人の後ろにぴったりと着くと、遠回りとも言える路面がスムーズなラインを選ぶ自分の方が圧倒的に余裕を持って二人に着いていけることが分かり、一気に気持ちも走りもポジティブに切り替わった。
その後井上選手の転倒があり、涼太選手とのバトルになったが自分の給油ピットインでまた離されてしまうが、ピットでフロントサスの余分なエアを抜いたことでフロントタイヤの接地感が良い状態に戻りここで一気にペースアップし、すぐに涼太選手をパス。
コースの荒れが進む中、自身はこれを避けるラインの選択肢が増え、その精度も上がったことで自分の求めるライディングスタイルである「楽に速く」を実践し5位までランクアップに成功。
このライディングには少々キャンバーであっても路面凹凸の少ないラインに入るため、特にリヤタイヤの刺さりとグリップ、そしてリヤサスペンションの路面追従性が活きる場面だ。

走ることは楽しいが、最高峰のAAクラスのメンバーの中に入れば得意とは言えないこのハイスピードコースでMTBで培ったラインの読みや、これに合わせたバイクセットアップ、独特のフロント荷重を極力避けてリヤタイヤの路面追従を意識した乗り方がここまで通用するという充実感の中、順位を守りたいという緊張感を抱えた最終周をなんとか乗り切り無事にフィニッシュすることができた。

今期もメカニックとたくさんのディスカッションにより毎戦のようにモディファイをアップデート。
信頼できるマシンに乗ることでトラブルやリタイヤも無く、最終戦でも満足の走りと順位となり、本当に良い形でシーズンを締めくくることができた。
スポンサー、サポート環境が飛躍的に向上した今シーズンは過去最高位もマークし、JNCCのレース会場IRCブースでのアドバイスやシーズン後半にはオンラインアドバイスの実施が始まるなど、プロライダーとして活躍の場を多く与えていただいたシーズンでもあり、これらや多くの応援が自分のレーサーとしての気持ちを奮い立たせ、集中した練習やトレーニングなどの取り組みに大きく影響した。

本当にたくさんの「人」に支えられシーズンを乗り切ることができました。
「感謝」しかありません。
レース活動最高です!

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