JNCC 広島テージャスは あえてのFIM GX-20

クロスカントリースタンダードタイヤとしてiRCの銘柄から
フロント VX30
リヤ VX40
としていたのだが、JNCCスキー場ラウンドではCOMPクラス及びFANクラス上位カテゴリーには、リヤタイヤにFIMタイヤ指定の規制がかかる。
*VX40は非FIM
これを受けiRCが2022シーズンにリリースしたGX20のテスト使用を開始した。
2022シーズン序盤に前十字靭帯断裂の怪我を負ってしまったため、GX20のテストができないままでいたのだが、2022シーズンに使用した選手からのヒアリングや実際に目の当たりにした経験から、低圧設定により絶大なグリップを確保でき、がれ場での安定感が得られることは確認済み。

テストを行ったのは3月中旬に内嶋のプライベートコースで、半分はバンクがほとんどないフラットエリアのややハイスピード設定。
残りは速度域が低い難しいウッズ(コース幅は狭く、木の根、丸太、タイトコーナーからの急な登りなど)という1周2分半ほどのコース。

まずはチューブ仕様で空気圧は0.21
新品時はゴム質の硬さから潰れにくいという印象なのだが、ブロック面の厚みはそれほど厚くないことから、走行を始めるとすぐに馴染み、程よい潰れ加減となる。
サイド剛性は高いため、タイヤ全体がよれすぎることなく必要なクッション性に加え、硬質なゴムという特性から、潰れた反動の「戻り」が穏やかになり、細かな木の根の連続する場面などでは潰れ続ける印象で安定感がある。
正直なところ「すごく良い」
テスト前日にも練習しており(リヤVX40)コースコンディションは両日同じと言えるドライ。
GX20を装着した最初の走行のベストタイムは2分27秒と、前日ベストの4秒落ち。
そして走行の感触がとても良いことから空気圧は変更せずにテスト走行2ヒート目には前日ベストタイムと同じ2分23秒代。
しかもこのタイムを連発して走行することができ、トータルのアベレージスピードは上がったことになる。

要因を考察
実はこのテスト以前にいつも乗る車両KTM250SX-Fよりも軽量なKTM150SXに乗る機会があった。
プライベートコースのフラットエリア区間の区間タイムを両車比較した際に、ほとんど変わらないことが判明。
150SXは自分のセッティングではないにもかかわらずにだ。
これは重量が影響すると思われ、多少探るような走りでも、瞬間的な加速が速いことや、タイトコーナーの入りの倒し込みや切り返しの俊敏性が大きく優っているのではないかと考えた。
そこで自身の車両250SX-Fで重量が嵩んでいたタイヤ周りを軽量化することで、同じような効果が出せるのではないか?というところにGX20がフィットしたと考える。
VX40とGX20では700gほどのGX20のほうが軽い。
そしてチューブ2枚重ねを通常の1枚に戻し、これで800gの軽量化。
トータルで1500gの軽量化を達成したことになる。

この軽量化による俊敏性、軽快性の獲得に加え、低圧によるタイヤが潰れた状態をキープして接地面積を大きく確保して得ることができる継続的なグリップ力。
これらがドライ路面という条件ともマッチして好印象と実際の速さに繋がったと考える。
体感としてコントロール性も高く、再現性が上がったと感じ、実際にタイムは安定している。

ムース仕様テスト
さてこの数日後、コンディションは雨後のために少々異なったが、穴を開けたムースによるテストも実施。
ムース重量は1500gとチューブからさらに500gの軽量化。
しかしチューブ換算0.2kgfほどを狙ったのだが、穴の数の多さ、穴の大きさの影響で狙いよりも低圧想定になってしまった・・・
ハイグリップの加速(特に車体が傾いた状態)ではタイヤ全体のヨレにより、横滑りと感じる場面があることから、このような場面では少々デリケートになるのだが、ウッズの木の根や丸太に対してはチューブ使用時以上にグリップの高さを感じる。
低圧想定ということと、穴あきムースによる潰れからの戻りの遅さ(戻り減衰の効果)がプラスに働いてると感じる。

結論
コンディションによってはブロック高はそこまで必要ではなく、逆にブロックのヨレが少なく良い意味でのダイレクト感を得ることができる。
ブロックが低いことはタイヤ潰れを上手く使うことにも貢献していると感じる。
しかしマディコンディションではやはりブロック高は必要であることは間違いない。

JNCC広島での使用条件
マディコンディションやソフト路面のヒルクライムが多くあるならVX40
ドライで硬い路面であればGX20+ムース
沢やガレ登りに関してはGX20を低圧に設定することで、全く問題ないと予想している。



内嶋プライベートコース フラットエリア区間
GX20 チューブ仕様での走行




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