大会名:JNCC2025 第6戦 田沢湖スキー場(秋田) 7月20日開催
成績:COMP-AA1 9位 総合:52位
公式LIVEリザルト
公式リザルト
BIKE:2025 KTM250XC(2ストローク) basistauto貸与
サスペンション:WP PROサスペンション
フロントサスペンション:エア 上7.0bar 下6.0bar
タイヤ
F :IRC M5B EVO(TEST Ver) 90/100-21 ムース(0.35kgf相当)
R :IRC GX20 GEKKOTA 140/80-18 Tubliss+Tacsソフトムース+エア0.3kgf
セットアップ&メンテナンス:NAGmotors
ウェアー:LEATT(ゴーグル、ブーツ、グローブ、プロテクター)
忘れられない場所での挑戦! 秋田田沢湖スキー場大会レポート
内嶋にとって特別な場所である秋田田沢湖スキー場でのレース。現役時代には全日本チャンピオンを獲得し、引退後もMTB全日本選手権の運営に携わるなど、この場所にはたくさんの思い出がある。
2025年シーズンは8月末のJNCCエコーバレー(木島平に変更)をピークに設定し、7月前半からみっちり乗り込んだ。しかし、練習量に体が追いつかず、ケアと練習の繰り返しで、今回は次戦の木島平への通過点として、少々疲労が残る状態での参戦となった。
GX20 GEKKOTA、満を持して投入!
前回の鈴蘭大会で試したタブリスムースとJX8 GEKKOTAの組み合わせが、特にガレ場で素晴らしい感触だったので、石が多い田沢湖スキー場では、iRCのFIMタイヤ「GX20」にゲコタコンパウンドをまとわせたGX20 GEKKOTAが最適だと確信した。大会の2週間前から、様々なシチュエーションでメリット・デメリットを洗い出すテストに加え、5時間にも及ぶ全開走行での耐久テストを実施した。
タブリスムースとの組み合わせは、チューブやムースでは得られない広範囲の速度域に対応し、固くて滑りやすいモトクロスコースや、自身のトレーニングコース(ダイナコパーク)のカチパン・ドライや少々のマディ路面でも、他のタイヤより良いタイムで周回することができた。
ブロックで掻き進むのではなく、接地面積を多く確保してグリップさせるこの特性は、自身のライディングスタイルや、マイルドな中低速域のパワーを持つKTM250 XCとの相性も抜群! 攻めやすく、ライディングがさらに楽しいものに変わった。
待ち受けていたハードなコース
石が多いことは覚悟していたものの、金曜午後の下見で驚いたのは、e-MTBで登るのもギリギリな斜度の登りが最初から続くことだった。さらに、豪雪地帯のスキー場によくある、路面がボコボコの天然ギャップがあらゆるゲレンデの登りに存在した。
いかにギャップを避けつつ、スピードを落とさずにラインに乗せるか。それがコース攻略の鍵だと感じた。また、石がゴロゴロ転がるようなキャンバーが登りにも下りにもあり、ここは車体を寝かせてアクセルオンやフロントブレーキを使うと転倒の危険がある要注意ポイントだ。
中盤にはコンプオンリーヒルクライムのセクションがあり、多少の渋滞が予想されたため、ベストライン以外に、渋滞時に使えるラインや、避けるべきラインをじっくりチェックした。後半のガレ下りには難易度の高いドロップオフ状のセクションもあり、ここでは他者の車両停止も想定できた。コース全体を見て、タイヤ選択は間違いないと確信した。
大会前日の土曜日には、練習走行と試乗会が同時開催された。iRCとKTMの試乗案内をしながら、途中、ベイシストオートのメンバーとコンプオンリーのヒルクライムを徒歩で確認した。
想定外のアクシデント、そしてリタイヤ
晴天が続き気温も高かったため、レースは2時間経過後にトップからチェッカーとなった。スタートは得意な方だが、今回は4位とまずまずのポジションでレースをスタートした。
しかし、最初のゲレンデ登りではライン、リズムが定まらず、さらに首や背中周りの疲労からくる体の硬さでうまく走れず、ズルズルと後退してしまった。さらに、走行中に飲用するハイドレーションバッグが飛び出し、コース上に落とすというトラブルも序盤に発生した。
コンプオンリーのヒルクライムでは、前走者が止まってしまうほどのミスにより、転倒こそ免れたものの、入ってはいけない溝にハマってしまい、リスタートまでに時間を要した。この間に後方スタートしたAクラストップグループにもパスされてしまった。
焦らず徐々にペースを掴みながら、失ったハイドレーションの対策として、毎周回ピットで水分補給することをチームスタッフと確認しレースを進めた。3周目からはリズムもつかみ、楽しみながら走ることで、ペースも順位も徐々に上がった。
しかし、6周目の後半の登りで、前を走るバックマーカーが弾いた拳大の石が右手に直撃! すぐに痛みを感じ、アクセルを握ること、フロントブレーキを握ることが非常に困難な状況に陥った。数分で痛みがある程度引くことを期待してレースを続けたが、明らかに指が変形しているのがわかった。そして、7周を終えてピットに戻った際、このままのスローペースで走り続けても意味がないと判断し、無念のリタイヤとなった。
怪我の状況と今後の治療
診断の結果、右手中指の付け根を骨折し、ズレてしまっていることが判明した。リタイヤ後すぐに受診した病院である程度引っ張り直してもらったが、現在地元病院を受診中で、今後の治療方針を検討している。次戦への参戦は厳しく、高井富士大会に間に合うかどうか…といった状況だ。
レースを振り返って
肉体的にはベストではなかったものの、それは次戦への乗り込みによるものなので想定内だった。車両はしっかりメンテナンスされベストな状態であり、タイヤ選択とセッティングも大正解だったと感じている。
ハイドレーションのセッティングは体の冷却も狙った新しいものだったが、落としてしまうという失敗は要改善ポイントだ。
負傷については、もう少しマージンを取るべきだったのか、あるいはもっと早いタイミングでバックマーカーをパスするべきだったのか。中途半端な距離感と対応だったことは反省点だ。そして、ハンドガードが1周目の転倒で下がっていたことも、石が直接手に当たってしまった要因でもある。ハンドガードが適正位置にあるかを常に確認すること。この痛みを伴う学びを今後に活かしていきたい。
今後の活動について
シーズン前半には、状況次第で今季限りでレースのフル参戦を終えることも考えていた。しかし、シーズンが進むにつれ、レース活動に付帯する様々なお仕事をいただくことができ、これらは来シーズンを見据えての活動であることから、来季はこれまで以上の環境と体制、モチベーションを持って参戦できるのではないかと期待している。
車両やタイヤ、その他関わるものを効果的に使用するためのテストとフィードバック。そして、少しでも速くなるためのライディングの研究と実践によるデータ収集。これらを積み重ねるほど、効果的に活用できていると実感している。
レースを走ること自体が直接の仕事ではないが、レースを走ることやそのための取り組みが仕事に直結している今の状況は、6年前に想像したJNCCライダーとしての目標そのものだし、正直なところ想像以上の状況になっている。
元々プロアスリートであったことや、イベント企画運営、ブランドプロモーションを担当してきた経験など、これまでのキャリアをフルに活かして成り立っている今は、アスリートとしても会社の代表としても本当にありがたく光栄なことだ。
今後もレース活動を通じて、多くの方に参考にしてもらえるようなライダーを目指していきたい。
まずはしっかり怪我を治して、必ず復帰します!






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