JNCC2026 第1戦 サザンハリケーン 内嶋レースレポート

大会名:JNCC2026 第1戦プラザ阪下(大阪) 2月15日開催
成績:COMP-AA2 8位  総合:11位
公式LIVEリザルト
公式リザルト
BIKE:2025 KTM250XC-F(4ストローク)KTMジャパンライダーサポートプログラム車両
サスペンション:Technixモディファイ
タイヤ
F :IRC M5B EVO 90/100-21 (ムース)
R :IRC GX20 GEKKOTA (ムース)
セットアップ&メンテナンスNAGmotors
ウェアーLEATT(ヘルメット、ゴーグル、ブーツ、グローブ、プロテクター)

2026シーズン開幕。フィジカルとマシンの進化で掴んだ手応え

今年のJNCC開幕戦の舞台は、大阪・プラザ阪下。 例年同様、モトクロスコースとエンデューロコースを組み合わせたオリジナルレイアウトで構成されましたが、今年は特にコーナーが細かく設定された印象でした。走行ラインが非常に限られており、パッシングポイントを見つけるのが難しいテクニカルなレイアウトとなりました。

コンディションに関しては、大会直前の水曜日に大量の雨が降った恩恵を受け、埃も立たず、路面状態としてはベストコンディションでレースを迎えることができました。

フィジカル改革とオフトレーニングの成果

今期の参戦体制については既に発表済みですが、昨年最終戦で今期使用する KTM 250 XC-F を早期に導入したことで、このオフシーズンは乗り込みとセットアップに多くの時間を費やすことができました。

また、昨年7月に右手中指を骨折したことをきっかけに、レースから離れている期間を利用してフィジカルの見直しを行いました。これを継続したことで、練習や日常生活の段階から明らかに体のコンディションが向上していることを実感できています。

昨年までは、練習翌日には首や肩、背中周りに筋肉痛とは異なる「嫌な痛み」が出ることが多く、思うような練習やトレーニングができない悪循環がありました。しかし、このオフは「しっかりと追い込んだ45分間の走行を1日2回」、それを連日行っても大きな疲労感や痛みが出ることなく消化できるようになりました。ストレスなく練習に打ち込めたことで、バイクに乗ることが本当に楽しみなオフシーズンを過ごせました。

絶対的なスピードに関してはまだ向上の余地がありますが、「自分の持っているスピードをレース時間中出し続けられるフィジカル」を作ることができたという手応えを持って、この開幕戦に挑みました。

マシンセットアップ:KTM 250 XC-F × IRC GX20 GEKKOTA

■ KTM 250 XC-F クロスカントリー用の4ストローク250ccマシンであるこの車両。クロスカントリーを想定した練習を重ねるたびに信頼度が上がり、乗るたびに「良いマシンだな」と気に入り、人馬一体感が増しています。

■ タイヤ:IRC GX20 GEKKOTA をリアタイヤにチョイスしました。 昨シーズン中、GX20 GEKKOTAのハイスピード領域での走破性やコントロール性について多くのテストを行ってきました。その中で、マディ以外の場面においては安定して良いタイムが出ること、そして何よりミスが少ないというデータが得られました。 「ガレ場や難所用」というイメージが強いGEKKOTAシリーズですが、硬くて滑りやすい路面のモトクロスコースにおいても一番良いタイムが出るなど、オールラウンドな性能を持っています。

今回は海外製のムースをインストールすることで、GEKKOTA特有の路面タッチの柔らかさを確保しつつ、その奥での「踏ん張り感」を演出。ガレ場からハイスピードセクションまで、広いレンジで安心して攻められるセッティングが出せました。

Technixサスペンション & コントロール系

■ Technix Tuned Suspension
サスペンションは、昨年の最終戦でTechnix(テクニクス)の試乗車から移設し、実戦テストを行ったものをベースにブラッシュアップしました。 自分の練習コースで乗り込み、セッティングを煮詰めた上で、今回はコーティングを一新。フロントフォークのアウターにはNHPを、インナーチューブにはDLCコーティングを施しました。 これにより、オイル流動が始まる前の「動き出しのバタつき感」が軽減され、サスペンションが動き出した後は非常に滑らかに作動します。細かなギャップや木の根を通過する際の柔らかさと安心感は絶大でした。 リアサスペンションにもNHPを施し、上質な動きと高い路面追従性を獲得。自身の走行動画や感覚をエンジニアに伝え、実際にコースでテストを行うなど、充実したセットアップ期間を過ごせました。

■ Rekluse & Left Hand Brake
元々MTB(マウンテンバイク)ライダーである私は、そのスキルをクロスカントリーバイクにも流用したいと常々考えていました。しかし、クラッチ操作の煩わしさや、リアブレーキをつま先で踏む動作による「重心の前移動」に不満を感じていました。 そこで今シーズンは、4ストローク車両とのマッチングが良い『Rekluse(リクルス)オートクラッチ』と『レフトハンドブレーキ』を投入しました。

クラッチ操作から解放され、左手でリアブレーキをコントロールし、右足は常につま先をステップに乗せてホールドし続けられる。これにより車体の安定感が劇的に向上し、これが自分にとっての「当たり前」と言えるレベルまで感覚をアップデートできました。 ウッズ区間での微修正や、コーナー進入時にステップを踏み込んだままブレーキングできることによる制動力と安定感の向上など、多くのメリットを感じています。

RACE REPORT:我慢の展開とラストラップの攻防

今回のAAクラスは、モトクロスの国際A級ライダーなど多くの強力なライダーが参戦。「メンバーが凄すぎる」とSNSでも話題になるほどの層の厚さでした。自分よりも圧倒的なスピードを持つライダー達と走れることは、楽しみでもありました。

レースはベストコンディションの中スタート。 2ストローク勢の始動性の高さには敵わず、スタート直後は中盤あたりに埋もれます。激しいレース展開で転倒者も多く出ていたため、まずは冷静に状況を見ようと後方の総合19位にポジショニングしました。

予想通り、2周目、3周目となっても前のライダーと数珠つなぎの状態が続きます。ここで焦ってもリズムを崩し疲労が溜まるだけだと判断し、集団後方から離されない程度のペースを維持してリラックスして走行。 最近の練習傾向から、開始30分後くらいから体が動き出しラップタイムが上がることは分かっていたので、序盤は無理をせず、体が動き始めた時間帯からプッシュを開始しました。

約1時間が経過したあたりで総合12位まで浮上。 しかし、そこから前のライダーになかなか追いつけず、ポジションをキープする我慢の時間帯が続きます。過去最高レベルに仕上がったフィジカルのおかげで疲労感は少ないものの、スピード不足によりペースが上げられないジレンマを感じる展開でした。

2時間10分が経過し、感覚的にはあっという間にラスト1周へ。 ここで後方から小菅泰輝選手が迫ってきているのをはっきりと確認。バックマーカーの絡みもあり、背後にピタリと付かれることは予想できました。 そこで、「焦ってペースを上げてミスをすれば抜かれる。抜かれないラインをしっかりトレースし、最終盤のガレ場と丸太セクションを確実にクリアする」ことに集中しました。

この判断が功を奏し、高い集中力で走った最終周が当日のベストラップに。 ガレ場では、IRC GX20 GEKKOTAが絶大な安定感を発揮。コロコロと動く石の上でもマシンの挙動が安定し、フロントアップで超える丸太セクションに対しても安心して飛び込むことができ、何とか逃げ切ることに成功。総合11位でのゴールとなりました。

総括

プラザ阪下でのJNCCでは過去にもっと良い順位を出したこともありますが、今回は「自分自身の走り」にある程度満足しています。 オフシーズンに取り組んだ車両作り、練習、フィジカル強化が明確に良い方向に出ていると感じられました。 しかしレースである以上、やはりより良いリザルトを求めたい。フィジカルと共に、スピードアップが重要な課題であると痛感するレースともなりました。

また、昨年から実施しているKTMの下見ツアーに加え、今期はIRCタイヤでも様々なコンテンツを展開予定です。 今回はIRCタイヤに新規加入した保坂選手とタッグを組み、前日土曜の夕方にセクション攻略法をアドバイスするコンテンツを実施しました。 レースを走るだけでなく、会場に来る皆さんにオフロードバイクの楽しさやテクニックをお伝えすることで、業界の発展に少しでも貢献できればという思いを強くしています。

次戦のテージャスランチ(広島)に向けて、ここからまたしっかりと取り組んでいきたいと思います。(※第2戦徳島は欠場となります)

応援ありがとうございました。




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