JNCC2023 第4戦 X-JAM高井富士大会レースレポート

大会名:JNCC2023 第4戦 X-JAM高井富士 6月11日開催
成績:COMP-AA2 10位  総合:26位
公式LIVEリザルト
公式リザルト
BIKE:KTM250SXF Jon it.モディファイ
タイヤ
F :IRC GX20 90/90-21 チューブ(0.35kgf)
R :IRC GX20 140/80-18 ムース穴あけ25mm 16箇所(0.3kgf相当)
リム:DID 軽
ウェアー:ROYAL
ハンドル:ISA テーパーハンドル
セットアップ&メンテナンス:Jon it.
フロントサスペンション:Jon it.モディファイ+Technix ナイトホークプレーティング

トップスピードを上げる
前戦広島芸北大会のレポートでもトップスピードを上げることを意識した「タイムアタック練習」に取り組んでいることに触れたが、今大会に向けてもこの課題は共通していた。
大会リザルトの各自のベストラップを見ると、最終結果と比例するようにベストラップの順位付けがされることがほとんどだ。
と言うことはベストラップを上げない限り、現在JNCCにおいて内嶋の前にいるMXIAライダーに勝つことはできないと言うことが言える。
そのためのスピードアップが今後しばらくの内嶋の課題になることは間違いないだろう。

ハードスケジュールからの今大会
プロライダーとしてのステップアップとなるような光栄な仕事に恵まれた。
KTM、ハクスバーナの2024エンデューロモデルのグローバルローンチへのインプレライダーとしての派遣の機会を得て、南アフリカ(レソト王国)でKTM、ノルウェーではハスクバーナのローンチに出向いた。
この間に糸魚川で開催されたファンライドフェスティバルにも公式コンテンツの講師としてゲスト参加するなど、超過密スケジュールで各地でバイクに乗りまくる2週間の締めくくりが今大会のJNCC高井富士大会だった。
帰国は大会前夜で、会場入りは当日となった。

レース前準備
会場入りし、慌ただしくコース下見を行う。
SPECIALIZEDのe-MTB KENEVOを駆り、コースの全てとウッズを念入りに下見を行い、当日入りのハンディなど一切ないと言う状況でレースを迎えた。

レーススタート
今回もエンジン始動のタイミングも良くスタート後4番手。
しかしながら雨で滑りやすい路面は、ちょっとしたライン取りの差で大きく失速するなど難しいコース状況の中、8番手で1周目のほとんどを走行し、路面感触を掴むように落ち着いて走る。
いつもならば多少の腕上がり症状が発生するのだが、今回は滑りやすい路面であったこともあり、全く腕上がりもなく体の疲労も感じない。
2周目に入り路面の土は一皮剥け、マディ要素が強く出始めた。
多くのライダーが走行するラインは刻々と走りにくくなることは明確であり、ほとんどの箇所で大胆にコース幅を目一杯使ったライン取りを行う。
コーステープギリギリのマディではない箇所から、マディ区間を直線的にマシンを地面に直角に加重し次のコーステープギリギリのマディではないラインへと効率的に繋ぎ合わせると言う方法であり、長年MTBで培ってきた内嶋のマディコンディションの必勝法だ。
すると面白いくらいに楽に速く走れ、2周目には総合6位、3周目には総合4位でクラス(AA2)トップに立つことに成功。
ここまでのレースで抜かれたら2度と追いつくことのできなかった小林雅裕選手、中島選手をパスすることができたのだ。
しかし4周目の登りで泥を含んだ左手が滑りやすくなり、ハンドルから手がすっぽ抜けてしまった。
その際に後ろに迫っていた選手にパスされ、さらにはゴーグルに大量の泥を浴びてしまい視界を失いコースアウト転倒。
ゴーグルが使用不能となり、コンタクトレンズ装着ということもあり、大きくペースダウンして目を庇いながらピットに辿り着く。
燃料補給、グローブとゴーグルを交換し、グリップを綺麗にして再スタートするのだが、この際エンジンがなかなか始動しない。
その時は原因を知ることができなかったが、これはラジエタールーバー全体に泥詰まりが発生した事によるオーバーヒート症状であった。
そこからはオーバーヒートが更に悪化し、エンジン回転の低回転域を使用するシビアな場面でのコントロールが難しくエンストを起こす。
そしてなかなかエンジンが掛からないという事を繰り返しながら総合7位で5周回を終えたが、6周目はいよいよエンジン始動が不可能となり、レースを諦めてパドックブースに戻った。
ここでようやくラジエターの泥つまりに気がついたというわけだ。
リタイヤと思っていたのだが、エンジンが冷えると通常通りのエンジン始動がされ、異音なども無いことから、ラジエター部分を洗浄して再スタートすることにした。
順位を狙えるわけではないが、刻々と変わるコース状況を体験することや、今後のための練習にもなるという思いで集中して2周を走行し、フィニッシュを受けることができた。

オーバーヒートの原因にいち早く気がつくことが出来ていれば結果は大きく違ったはずだが、これはレース経験が少ない自分にとって大きな勉強であった。

FIMタイヤ「GX20」を前後に装着
前回大会同様の組み合わせであるが、フロントタイヤは前回よりも低圧(0.35kgf)に設定し、マディの下の硬く滑りやすい路面に対し接地面積を増やして滑りにくくすること。
ウッズの木の根や丸太に対し、少しでも当たりを柔く滑りにくくという狙いは大正解であった。
後輪に関しては信頼しているGX20を信じ、全く不安なく最高と感じながら終始走ることができた。
ゴム質の硬いGX20は低圧にして接地面積を大きく確保して走ることが内嶋にとってベストセッティングであることは変わらない。
このセッティングのおかげで、マディ登りはしっかりと地面を捉え進み、BBロック内でストップからの再発進もスムースであった。


次戦に向けて
次戦は先日会場変更が発表された第5戦 山形栗子なのだが、内嶋がプロライダー以外に仕事にしているイベント運営において、同日に行われる年に一度のMTB全日本選手権の運営責任者という大役を担うことから、出場に関しては現時点では難しいという状況。
エントリーはもちろん済ませ、ギリギリまで調整を行い、当日入りとなったとしても今回の経験により焦ることなくベストな状態で臨むことができる自信はある。
例え参加できなくとも、変わらずスピードアップを意識した練習に加え、白井でのハードエンデューロ練習によるフィジカル強化と低速域でのマシンコントロール技術の向上。
MTBレースへの参戦も含めMTBに乗る機会も増えるため、体を動かしバイクを操る技術の向上にも取り組める期間となる。
JNCCに参戦して10年目。プロという意識を持って5シーズン目となる今が、自分史上最もスピードも付いて乗れている事は間違いない。
1年前の怪我を経てライディング感覚をなんとか戻し、ようやく今成長段階まできたのだから、ここから存分にレースを楽しみたい。
そんな心境だ。

SPECIAL SPONSOR&PARTNER

SUPPORT

SPONSOR