JNCC2023 第3戦 広島芸北国際スキー場大会レースレポート

大会名:JNCC2023 第3戦  広島芸北国際スキー場 5月14日開催
成績:COMP-AA2 4位  総合:6位
公式LIVEリザルト
公式リザルト
BIKE:KTM250SXF Jon it.モディファイ
タイヤ
F :IRC GX20 90/90-21 チューブ(0.4kgf)
R :IRC GX20 140/80-18 ムース穴あけ25mm 16箇所(0.3kgf相当)
リム:DID 軽
ウェアー:ROYAL
ハンドル:ISA テーパーハンドル
セットアップ&メンテナンス:Jon it.
フロントサスペンション:Jon it.モディファイ+Technix ナイトホークプレーティング

2022年5月のJNCC高井富士大会で負った「左膝前十字靭帯断裂」から1年が経過し、昨シーズンのほとんどを欠場。
5ヶ月の乗れない期間とこの怪我は復帰後のレース時のスタイルを守りの走りに変えてしまった。
復帰戦となった2022最終戦は乗り込み不足もあり、レポートに記載の通り予定通り淡々と走ったのだが、2023シーズン2戦を終え、振り返ると「安全運転癖」が付いてしまったように感じた。
そこで第3戦に向けては練習内容をガラッと変え、またタイヤチョイスや設定も見直し臨むことにした。
車両は消耗部品交換、サスペンションオーバーホールや全体チェックをjon it.で直前に済ませた。

その1 シライザップ
関東のハードエンデューロ界隈では知らぬものはいない茨城県の白井オフロードパーク
ここで3日ほどハードエンデューロの乗り込みで、全身の筋肉への刺激と心肺機能向上を狙ったフィジカルトレーニングと低速域でのバイク捌きの向上を狙った。 シライザップと命名。

その2 ヒート練習とタイムアタック
自身の練習コースでは30分のヒート練習では毎周回ラップタイムを把握し、常にベストタイム更新を意識して走ってはいたが、30分走り切るためのペース配分がされているように感じるようになり、安全運転(マージンを取った走り)でも速く走るにはトップスピードの向上しかないと考えた。
そこで自身でプロデュースするラップタイマーを活用し、1周タイムアタックを練習メニューに加えたのだが、周回と同じコースで実施したところ、大幅にタイムアップすることができた。
そしてこのタイムアタックのタイムアップにより、その後の周回練習でもアベレージスピードが上がった。
つまりは1周集中でタイムを上げることで、周回時のベストタイムが余裕を持って出すことができるようになる。
これを繰り返すことでトップスピードの向上とアベレージスピードの向上両方が達成できたというわけだ。

レースウィーク
金曜午後に会場入りしSPECIALIZEDの電動アシストMTB LEVOでコースチェック。
山麓スタートから山頂までを一気に駆け上がり、COMPクラスはそこから急な下り、急な登りを大きく2度繰り返す。
下りは急なゲレンデを左右に振り、常にキャンバー状になる場面が多く、更に笹の生えた超急斜面のキャンバーが待ち構える。
コースレイアウト的には得意な傾向だが、土質の硬さは少々好みとは異なる。しかし土曜日の雨予報があったため、土もほぐされ好みのコースになると予想。
レースがとても楽しみだ。

土曜日は終日雨。今大会もiRC&SUR-RONブースに待機し、タイヤチョイスのアドバイスなど実施した。
天候が悪いことから早めにお風呂、サウナ、食事を済ませ早々就寝し翌日に備える。
レース当日朝は時折小雨が降ったが、12時30分のCOMPスタート時には晴れ間も見えてきた。
しかし厳しいコンディションが予想されたこともあり、レース時間は2時間経過後トップにチェッカーという普段よりも少なくとも30分以上は短いであろう決定が主催者によりなされた。
これにより前半からペースを上げていかないといけない「スプリント」となることはライバル達も皆口にした。

レーススタート
エンジン始動のタイミングも良くスタート4番手から下見でチェックしていた3コーナーアウトを使い2位までジャンプアップ。
トップ中島選手(ナカジ)と並走状態に渡辺学選手が切り込んでくる。
途中数秒トップに立つが、二人に先行され山頂を3位で通過し、そのままトップグループに付いて半周を走ることができた。
2021シーズン八犬伝では1周目のほとんどを2位で走った経験があるが、今回はその時よりもトップに着いて走る時間が長くキープでき、本当のトップのスピードを目の当たりにできたことは大きな収穫。
1周目は小林まちゃ選手、田中タカセ選手にパスされ総合5位。決して悪くないポジションだ。
前とは徐々に離されるが、オーバーペースになっては2時間持たないことは当然なので、ここからはスムースなライディングのためのライン選択、的確なトラクションコントロールに集中しマイペースで走行を始める。
3周目に成田亮選手にパスされ総合6位となり、その後僕をこの世界に導いてくれた師匠とも言える鈴木健二選手が背後に迫る展開。
ここからはL1まで健二選手と抜きつ抜かれつを繰り返し、登りでの車両的優位を活かしてどうにか逃げ切って総合6位、クラス4位でフィニッシュ。
バンブーリーフや直後の沼ではかなり慎重に。その他特に下りでもオーバーランしないよう十分なマージンを取り、大きなミスも転倒やトラブルも一切なく、かつ持っているポテンシャルを出し切れたレース展開に、今季ここまでの2戦とは大きな違いを感じる良いレースとなった。
短期間ではあるが取り組んだ練習が活かされたと感じる。
コースや土質も好みで得意という好条件であることは事実だが。

FIMタイヤ「GX20」を前後に装着
前回テージャスランチでも後輪にFIMタイヤGX20を装着し、そのグリップ力と耐摩耗性は確認済み。
少々柔らかすぎたという反省を踏まえ、事前にムースに直径25mm 16個の穴を開ける加工を施したテスト走行で好感触を得てこれを採用した。
GX20後輪は「硬いゴム質」「高剛性のサイド」ではあるが、少し走行すると程よく馴染んで「潰れやすく戻りはゆっくり」という特性を持つことから、新品タイヤを10分ほどブロックが減らぬよう走行し馴染ませたものを装着しスタートに着いた。これはフロントも同様に実施。
この馴染ませ効果もあり、スタート直後のヒルクライムでは最初からしっかりと接地面積を稼ぎ、なんの不安もなくアクセルを開け続けることができた。

フロントタイヤGX20とTechnix NHPのマッチング
2022シーズン第2戦からはフロントに太いものをチョイスし、安定感を得ることを行っていたのだが、TechnixのNHPコーティングをフロントサスペンションアウターに施したことで少々印象が変わってきた。
サスペンションは動き出しの数ミリの部分でオイル流動が始まる前は減衰が効かずに動きすぎる傾向にあるのだが、NHPはこの動きすぎを制御し、動き出したらスーパースムースに動くというコーティングだ。
そしてこの効果により、太いフロントタイヤだと接地面積の大きさによるグリップが過剰になるのか、時折パンクしたような違和感を覚えた。
この理屈に気がつきフロントをサイズ表記上は同じではあるが、ブロック外周が一回り小さく、重量も軽いGX20に変更することでこれまで感じた違和感は払拭され、タイヤに軽快感と刺さりによるグリップ感、サスペンションによる安定した接地感を得ることができたというわけだ。
そしてこのチョイスは今大会のマディの下りの場面では非常にコントローラブルで扱いやく、自分にとってベストチョイスであったと言える。
*コーティングしていないサスペンションであれば、前大会まで使用していたVX30がベストであったとも感じている。

次戦に向けて
第4戦は長野県高井富士 昨年左膝を負傷したラウンドであるが、GX20の特性やベストセッティングを知り心底信頼できる今は不安はない。
しかしながら今大会は前日まで海外での仕事が入ることから、ギリギリの当日入りとなってしまう。
レースに臨むにあたり非常に悩んだが、今回オートバイのライダーとして大変光栄な仕事のオファーをいただけたことから、スケジュール的には厳しいがこれを選択した。

このような光栄な機会に巡り会えたのは、数年続けるレースレポートやSNSにおいて機材やライディングに関することを記述してきたことの評価が要因であると感じ、今後もクロスカントリーやオフロードバイクを愛する皆さんに共感いただけるような発信をしていきたいと思っています。
レース成績だけでなくライダーとしての成長や活躍でファンの方々やスポンサー様に恩返しができるのなら本当に幸せです。
もちろんレースもまだまだ速くなれると信じて続けていきますので、引き続き応援よろしくお願いいたします。

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